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症状別アドバイス集

普通神経症の部屋・1998年

眠れないときは.. '98.12

エイズ恐怖、肝炎恐怖あるいは不眠恐怖はわれわれが生きている以上大なり小なり感じるものです。生、老、病、死というようにわれわれの基本的な悩みであるわけです。われわれが生きたい、よりよく生きたい、完全な状態で生活したいと思えば、体のこと、健康のこと、睡眠のことなど不安の種は尽きません。私も何らかのきっかけで自分の健康状態、眠れないことにとらわれます。その時には、眠る努力よりも、昼間の生活により注意を払おう、眠れないときは好きな本でも読みながら時間を過ごそうか、と覚悟を決めます。この時選ぶ本は今まで読んだことのない新しい本より、何度も読み返した好きな本が私にはよさそうです。また健康に対する不安は、私たちの年代では当然感じてきます。病気にならない努力よりも、まず生活の質を上げる努力をしてみようと考えるようにしています。

”とらわれ”に気づく '98.11

先日メンタルヘルス岡本財団岡本理事長のお供で中国の日本森田療法学会に出席したり、中国での森田療法家や森田療法を受けた神経質の人に会ってきました。中国は訪れるたびに何かが変化していて活力のある国です。この国でも多くの神経症で悩む人が治療を求める時代になりました。岡本理事長のご尽力でその治療法の一つとして森田療法が中国に導入され、多くの治療者が育ちつつあります。中国の森田療法の専門家に聞くと、中国で多い神経質のタイプは普通神経質、次いで不安神経症、強迫観念症となるそうです。さまざまな身体的症状、その時々の体調、食事すること、吐いてしまうこと、自分の健康状態への不安などなど、身体とその感覚にとらわれてしまうのは人間の共通の心理でしょう。特に東洋人には多いのかもしれません。そこには体の調子、身体的感覚、身体症状に単にとらわれるのではなく、何らかの不安が介在しています。多くは予期不安と呼ばれるものでまたそれが起こるのではないかと恐れ、自分で自分の不安を強め、それが身体症状をさらに引き起こすという機制があります。あっ!!これがいつもの悪循環だ、とらわれだと自分で分かれば、だいぶ自分への理解がすすんだといえるでしょう。あとはどのグル−プの皆さんにもいえることですが、症状に注意を奪われ、大切な人とのコミュニケ−ションや生活感覚を忘れていないかどうか、自分でチェックすることが重要です。

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