スマートフォン専用サイトはこちらをタップ

神経症を治す〜神経症(不安障害)の治療方法

薬物療法への接し方(症例と解説)

薬物療法と森田療法の不安への理解。

森田療法の治療モデルは薬物療法のモデルとは異なることが理解されると思います。薬物の効果は限定的で一時的なものと不安障害のクライエントに伝えられます。その上でクライエントの悪循環を同定し、不安の受容、自分の欲望の再発見と発揮、さらには生き方の修正にまで治療者は踏み込んでいきます。しばしば人生の節目でパニック障害に陥った症例にはこのような治療的接近が必要であるからです。
さて、薬物療法では症状の客観化、あるいは数量化が重要です。森田療法では不安(症状)そのものへの関わり合い、つまりそれへのとわられを重視します。あるいはその「とらわれ」からその人の人格や人生を、つまり「生き方」をみるわけです。
有効な治療対象あるいは時期として、薬物療法では急性期の不安です。そして森田療法では急性期から慢性期にいたるまでの不安であり、そこにまず、不安へのとらわれ(悪循環)とそのひとの人生の危機(その人の生き方の行き詰まり)をみてとるわけです。

治療目標の違いと治療の終わり方。

そして治療目標も自ずから異なってきます。薬物療法では症状除去であり、森田療法では症状の受容であります。そして最終的には自己受容ということになります。薬物療法では、症状が軽くなっても、どの時点で、どのように治療を終わりにするのか、というはっきりとした手だてがありません。そのために漠然と薬物が投与され、クライエントの不安が逆に募ります。森田療法では一般に比較的短期の終結を目指し、そのための治療の道筋と到達すべき心理的、行動的目標を具体的に示すことができます。このことが治療での薬物療法の役割を限定し、薬物に対する治療者と患者の依存を防ぐのです。

SEMINAR

Copyright (C) 2009 The Mental Health Okamoto Memorial Foundation