症状別アドバイス集

不安神経症の部屋

「他人がどう感じているのかは本当のところは分からない」 '17.1 

Aさんは約15年前からパニック障害を発症され、発作そのものはほとんど起きなくなっていますが、乗り物に乗る時や歯医者に行くときなどの予期不安が辛いとのことです。パニック発作のときの恐怖感は本当に強いものですから、本当に辛かったと思います。また、症状が長期間になればなるほど、予期不安も強くなりますから、「普通の人なら大変な思いをしなくていいんだな」とうらやましく感じるのも無理はないと思います。

そして、症状は他人と比較することはできないものですし、「自分が特別に苦しい」と感じてしまうことも自然なことです。しかし、本当にそうでしょうか。確かにAさんはパニック障害で苦しんでいらっしゃいますが、乗り物に乗っている人や歯医者に行っている人は何も悩みや苦しみがないのでしょうか。もしかしたら、Aさんと同じようにパニック障害を抱えていらっしゃる方もいるかもしれませんし、他の病気や対人関係などで悩んでいるかもしれません。もっと言ってしまえば、とくに病気や悩みがなくても、乗り物に乗るのがあまり好きでない人や歯医者そのものがすごく苦手な人もいることでしょう。

苦手なことが全くない人、悩みが全くない人はいませんよね。人には好き嫌い、得意・不得意があって、それは人それぞれ違うものですね。そして、私たちは色々な場面で様々な感情になりますが、感情そのものはどうにかなるものではなく、その時その時でどんな感情であっても、味わうしかないですよね。ですから、苦手なものは苦手でよいし、怖いものは怖くてよいのではないでしょうか。

Aさんの得意なこと、好きなことはなんでしょう?もしかしたら、「ない」とおっしゃるかもしれませんが、そんなことはないはずです。他の人から見たら「Aさん、うらやましいな」と思われていることがあるはずです。そのことを広げていくことがAさんらしく生きていく、ということに繋がり、予期不安にとらわれることも減ってくると思います。ちょっと厳しいことも書いてしまったかもしれませんが、是非とも、Aさんの強みを磨いていって下さいね。
(谷井一夫)

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