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症状別アドバイス集

普通神経症の部屋

「胃腸とおしりに対するこだわり」 '24.02 

Mさんは胃腸とおしりに対するこだわりがあり、悩まれているとのことです。便の硬さをそこまで管理するのは難しいものです。悪いことばかりに意識を向けてしまうのでという理由で、ネットで調べるのはやめておられるのは良い判断ですね。

Mさんの「症状はひどいものではなく、たいしたことのない部類にもかかわらずキレたくない!という思いが固定されてしまった」「こんなことで悩んでばかみたいで涙が出てきます」という言葉から、森田先生の以下の言葉を思い出しました。

「気になることは気にしなくてはいけない」「気になるままにこれを忍受して、勉強なり、その他すべきことをして行けばよい」(森田正馬全集第4巻p46)

どんな些細なことに思えても自分にとっては大切なことです。ですから、気になるのは仕方ないのです。「ひどい状態じゃないんだし、こんなに小さなことにこだわるべきじゃない」「気にしたくない」という思いがMさんの中のどこかにないでしょうか。あって当然のものをなくそうとするところからとらわれが生じてきます。「大したことじゃないのに、こんなに悩んでしまう自分はおかしいのではないか」と悩む自分を否定することでよりとらわれてしまうというからくりです。

まずはきちんと悩むことです。そのうえで実生活の中で起こる具体的な不安を話し、検討する場所(治療)をぜひ持っていただきたいと思います。そうするなかでMさんは本当はどうしたいのか、どんなふうにしなくてはいけないと思っているのかなど、自分のこだわりポイントやこだわり方の特徴がより見えてくるはずです。本当に自分が思っている方法しかないのか等々具体的に検討しながら、アイデアを試していくことがMさんのおしりへのとらわれを緩め、自分へのこだわりを緩めていくのにとても役に立つと思います。
(矢野勝治)

「漠然とした不安に対する落ち込み」 '24.01 

Kさんは仕事やママ友関係で問題解決しても出てくる漠然とした不安をどうしたらよいかと試行錯誤される中で、森田療法の不安をそのままにしておくという考え方に興味を持たれて、こちらのホームページにたどり着かれたとのことです。

不安を無理に消そうとしてもなくならないこと、場合によってはむしろ不安が大きくなることを体験として学ばれたわけですね。

今も漠然とした不安が出て、落ち込むことがあるとのことですが、大変な状況を離れた後に、また起きたら嫌だななど、その時のことを振り返って時折考えてしまうことはよくあることで、極めて自然なことです。

それがどうしても受け入れがたいとすると、漠然とした不安が出てくるとなぜそんなに落ち着かなくなるのか、何が引っかかるのかをもう少し細かく見てみてください。

例えば、それは、
(1)ストレス源から離れたのに、まだ漠然とした不安が出てくることが気になるといった、完全主義的な期待からくる不安なのか、それとも、
(2)また同じような問題が起きたら困るといった予期不安から来る不安なのか、などです。

(1)の場合には、不安をゼロにしようとするのと同じ姿勢がうかがえます。
(2)の場合には、実際の状況としてはどうなのか、今現在の事実を一つ一つ見ていきましょう。
実際に火種になっていることがあるのか、自分の理解者はいるのか。 「もし」ではなく「実際」にどうかが大切です。不安の背後には自分の希望や欲求が隠れているはずです。その不安の背後にどんな気持ちがあるのかよく見つめてみてください。
(矢野勝治)

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