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症状別アドバイス集

強迫神経症の部屋

「妊娠・出産はセンシティブ」 '17.3 

妊娠・出産は本当にセンシティブな問題ですね。気を付けて細心の注意を払っていらしたのに、今回流産されたこと、本当に言葉には言い表しがたい思いだと推察いたします。2人目はあきらめているとおっしゃっていますが、あきらめようとしているのであって、心の奥では願う気持ちが強いのではないでしょうか。妊娠するとまた流産するのではという怖い気持ちもストレスを貯めないようにと根を詰めてしまうのも、2人目のお子さんを望まれる気持ちが強いからこそではないかと思います。大切に思っていることはそんなに簡単にあきらめきれないですよね。女性にとっては年齢もありますし、とても葛藤的な問題です。

改めて振り返ってみると、Yさんがお二人目のお子さんを望まれるのはどんな気持ちが強そうですか?上の子にきょうだいがいた方がいいかなという思い?「きょうだいがいた方がいい」など他人の発言が心に引っかかっている可能性もありそう?最初の流産の衝撃が強くて、そこから何かが変わった感じがする?もともと自分のイメージしていた状態と違うことに気持ちがついていかないところもありそう?まったく外れていたらごめんなさい。どんな気持ちからかな?というところが自分がどうしていったら幸せになるかの大事な羅針盤になるように思うのです。きょうだいが生まれるのは結果で、そのことを願うのはどうしてかという気持ちの中身が一番大事。その中身が今後あなたがどうしていったらよいかの道しるべになって行くように思います。もしかして妻(嫁)としてこうあらねばとか、女性としてこうありたいという思いにもつながっているかもしれません。

一方、Yさんのおっしゃるように溜めないようにと思えば思うほど溜まるのがストレス。引きつらないようにと思えば思うほど引きつってしまう表情恐怖と一緒で、緊張やストレスはなかなかコントロールできないものです。上のお子さんは今おいくつなのでしょうか。お子さんとはどんな風に過ごしていますか?お母さんの元気がないのは、他の家族にももちろんですが、特に上のお子さんにとってはとても心配なのではないかと思います。もしまだあまり動けない状態にあるのでしたら、無理やりただ動くというよりも、上のお子さんが必要とすることを一緒にやったり手を出してあげることから生活の一歩を踏み出していくのはどうでしょう。身体がきつい時は少し休みを取りながら、ストレスについてはびくびくしながら、母としてできることをやってあげ、お子さんとやり取りしていくことでYさん自身もまたいろいろ感じるところあるかもしれません。
(今村祐子)

「治っていく過程」 '17.2 

Tさんは心気症状で悩んでいます。これまでに心気症状以外にも、社会に出るようになった時に確認行為・対人場面での症状、出産後には疾病恐怖・心気症状が強まったとのことです。産後の肥立ちが悪かったことから朝から夜まで病気を不安がり、病院を受診・検査をして問題ないと言われても見落としがあるのではと気になりドクターショッピングを続けて、完全に病気を否定出来ないと次に進めない状況に陥っていたようです。

「病院に行って2か月も経っていないのだからと持ちこたえている」「わずかな進歩でしょうか?」と書かれています。頑張っていますね。森田療法の治療過程においてはそのような感じを抱く方は多い印象です。退院を前にした患者さんからは「現在も症状はなくならずに今も気になります」「しかし、入院前のように症状を気にして行動が出来なくなるのでなく、症状ありながらも動けるようになりました。退院後もここでの身につけた姿勢を続けてやっていこうと思います」とよく聞きます。Bさんも症状はかわらずあるけれど「わずかな進歩」を感じられているようですので、その「わずかな進歩」を糧にまた次に進んでいって下さい。いま目の前のやるべき事に取り組んでいくなかで、生活が広がり症状が後景に退いていることにふと気付かれるのではないかと思います。頑張って下さい。
(矢野勝治)

「仕事に手をつけているうちに自然に集中してくるもの」 '17.1 

Aさんはご自分の視線が周囲にいってしまい集中できない、自分の視界や視線を常に生活の中で意識してしまう、ということで悩んでいらっしゃいます。今回、職場の異動で細かい数字を扱うこととなって、余計に視線の悩みが仕事の邪魔になっていると感じていらっしゃいます。Aさんは、高校生の頃から約20年間、その悩みがありながらも、お仕事をされ、家庭を守っていらっしゃったのですね。苦しい中、とてもよく頑張ってこられたと思います。

授業の時に「黒板だけに集中したい」という気持ちや、仕事の時に「今の仕事に集中したい」という気持ちがあるのは、とても自然なことだと思います。おそらく、Aさんは、勉強や仕事に対して、「ちゃんとやりたい」という気持ちがとても強いのだと思います。その気持ち自体はとても良いことだと思いますが、その分、「ちゃんとやりたい」が「ちゃんとやらなくては」と森田療法でいうところの「かくあるべし」となっているようですね。「ちゃんとやるためには集中しなくてはいけない」から「集中できない邪魔なものを排除したい」という気持ちも強くなっているのかもしれません。

Aさんが、おっしゃっているように、現実的には「授業だけ」あるいは「今やっている仕事だけ」を見ることは無理ですよね。黒板だけを見よう、先生の話だけ聞こう、と思っても視界には他の生徒の姿が入るし、おしゃべりをしている声も耳に入ってしまいます。それと同じように、「今の仕事だけに集中しよう」と思っても、他の雑務も入ってくれば、他の人の姿も声も目や耳に入ってくることでしょう。

私たちが本当に何かに集中しているときは、他のものはほとんど気にならなくなっているものだと思いますが、それは、自然にその状態が作られたもので、自分で準備をして、その状態を作ったわけではないことがほとんどだと思います。ですから、最初は「集中してないな」と思いながらで構いません。とりあえず、勉強や仕事に手をつけていきましょう。おそらく、他に何も見えないくらい集中していなくても、勉強や仕事はできるはずです。ましてや、20年間、苦しみながらもなんとかやってこられたAさんなら、出来るはずです。だんだんと仕事に注意が向いてくれば、頭は自然と集中してくれるものです。是非とも「集中してから仕事をしよう」ではなく、「仕事に手をつけているうちに勝手に集中してくるもの」ということを実践してみてくださいね。
(谷井一夫)

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