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症状別アドバイス集

強迫神経症の部屋

「人との付き合い方について」 '19.3 

こんにちは、Tさん。7年間、対人緊張に悩みながら社会生活を維持されたのですから、その努力は相当なものです。しかし、Tさんは現在も症状に悩み続けているが故に、このフォーラムの門を叩いたのだと思います。

Tさんは、相手と話す時にどんな思いを抱くでしょうか? 「相手から嫌われないように気の利いたことを言わねば」、もしくは「相手を不快にさせないために常に笑顔で接しなければならない」などでしょうか? ただどちらにしても、他者に対して「円滑なコミュニケーションをせねば」という、「かくあるべし」の姿勢がTさんを苦しめているのだと思います。

世の中は、私たちに日頃から「コミュニケーションをしっかりとろう」「相手の目を見て話そう」などと教育勅語のような示唆を押し付けてきます。そして、ここで参加されている誠実で真面目な方ほど、この示唆を真に受けてしまうところがあります。過去、私がある研修先で教えられたことは、このような助言がしばしば対人緊張を煽る温床になっているという事実でした。Tさんのように、コミュニケーションに悩まれている方ほど、この様な示唆によって苦手な会話を克服して、「流暢なやり取りを身につけねば」という思考に陥ることは半ば然るべきことなのです。

Tさんは、コミュニケーションが苦手であることをもっと自分の持ち味であると認めていって欲しいと思います。持ち味であれば、克服ではなく、苦手なりの切り抜け方を学んでいけばよいのです。そこで、大切なのは流暢な気の利いた会話ではありません。むしろ不器用だけど、自身の言いたいことを簡潔に伝える姿勢です。

特に仕事であれば、業務内容に纏わる報告、連絡、相談などの会話だけをしっかり押さえて置けばよいのです。業務上のやり取りが実践されていれば、必ずTさんの仕事の技量が上がってきます。そして技量が上がる事が周囲の信頼への繋がり、時間の経過とともに周囲との関係が醸成されてくると思います。今は、まだ症状の渦中でそこまでの余裕はないかもしれません。しかし、上記のことを意識するかしないかの差が、やがて大きな変化に繋がると思います。大変でしょうが、数年後Tさんの味わい深さが人間関係の中で育まれていることを願っています。
(樋之口潤一郎)

「"はからい"と"くよくよ"」 '19.2 

Bさんは「対人恐怖と反芻癖で悩んでいる」「会話の後や普段の生活で気になったことや気に入らなかったことを頭の中で繰り返し反芻してしまう癖があります。何度も何度も気が済むまで、頭がスッキリするまで考えてしまいます」と書き込まれています。

人と関わると、「自分の言ったことを相手がどう思ったかな?」「相手の人の態度はこういう(自分に対するネガティブな)意味なのでは」など、気になってしまいますね。それを引きずってしまうこともままある事。相手が「どうでもいい相手」でなければなおさらですね。

Bさんは後から反芻してしまうことを、「はからいなのでは」と悩まれているとのこと。反芻には「頭の中での確認行為(大丈夫であることを確認してすっきりさせる)」である場合や「過ぎたことくよくよと思い悩む」場合などが考えられます。 ここでは、「はからいであるかどうか」をはっきりさせるよりも、どうつきあっていくかを考えていきましょう。

「頭がスッキリするための確認」については、やはり、切り上げて次の行動、家に帰った後であれば身の回りのことや家事など、に手を付けていきましょう。

「相手の反応が気になってくよくよする」ことについては、くよくよしながら。「くよくよしてはいけない」という「かくあるべし」で抑え込もうとしても気持ちに無理な注文をつけることになってしまいます。くよくよするのは「相手といい関係でいたい」「いい人間でありたい」という気持ちがあればこそ。その気持ちを大事に生かして、くよくよと悩みながらも目の前のことに目を向けていきましょう。そして、次に相手の人と会った時は今その時のやりとりにできるだけ目を向けていきましょう。
(塩路理恵子)

「皆親御さんは子供関係の人間関係は大変ですね」 '19.1 

K様、社会人時代からなんとか最低限のコミュニケーションで仕事をこなし、パニック障害も克服されたのですね。しかしお子さんのことでつきあいがありお悩みなのですね。

K様のように神経症をいったん克服したものの、お子さんのことでの対人交流を通して対人恐怖症状が出現する方に私は日常出くわします。K様だけでなく子供のための人間関係でお悩みの方は病院におかかりでなくても日常よくあることではないかと思います。その理由として考えられるのは、今まで生活してきた学生生活や社会生活ではある程度ご自身と共通の背景を持ち会話もしやすいですが、子供を介しての親同士のつきあいでは子供の共通点しかないため親同士は全く今までの生活背景が違うことがあるのではと思います。ですから子供のこと以外の話題はなかなか出しにくいのが本音ではないでしょうか。お子さんに関することではまずは最低限のコミュニケーションをすることを心がけて、話しているうちに趣味など共通の話題が出てくればさらに会話がはずむでしょうが、滅多にないくらいに思っていても良いのではないでしょうか。

「周囲の人にどう思われているか」気持ちの裏には「周囲の人に良く思われたい気持ち」があります。これを森田先生は「生の欲望」と呼んでいます。生の欲望が強いのですが、そのエネルギーが症状へ向いてしまい(「とらわれて」しまい)、悪循環を起こしてしまいます。

森田先生は「たとえば、赤面恐怖・吃音恐怖が、恥ずかしいことそのことが苦しいのではない。実は人前で自分が、立派でありたいのが、その目的である。もし恥ずかしいそのことばかりが苦しいならば、それは意志薄弱者であって、神経質の恐怖症、すなわち強迫観念ではないのである。」と述べています。

今までのご自身の生活、パニック障害を乗り越えられてきたご自身を信じてこれからも「おそるおそる」で良いので、実は自分は「何かを求めている」と信じて必要な人間関係を避けずに行動して頂ければと思います。
(舘野歩)

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