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症状別アドバイス集

その他の部屋

「苦楽、好悪は同一のものを両面からみたもの」 '18.10 

Kさんは、長い間、離人感やそれによる睡眠不足や疑いの気持ちに苦しめられているとのこと、その中でも日々動いていらっしゃるとのことで素晴らしく思います。

文面を見る限り、非常に頑張り屋であり、まただからこそ完璧にしないと気が済まないという思いがあるように推察します。完璧な幸せ、いつまでも続く幸せを願うあまり、それを失う不安が強くなっています。しかし完璧な状態を得ることも難しいですし、事実世界は不完全なものばかりですよね。たとえ、万が一、何か不幸がおそいかかったとしても、その苦悩の中に、またその苦悩を乗り越えた喜びが見出されるものです。
Kさんの言葉を借りれば「とんでもない裏切り」が起こったとしても、その中にそれを乗り切った喜びが見出されるものです。森田先生はどのようなことの中にも感謝があり喜びがあると言っています。

またこの症状さえなくなれば、完璧な幸せになると思ってはいませんか?実際、森田療法の入院治療・外来治療を行って社会に戻られた方は、「なんだ、こんなものか」という気持ちを持って退院されます。治ってもこのような感覚なのです。つまり、治ったらさらにKさんの思う完璧な幸せが訪れるかというと、残念ながらそうではないのです。これについても森田先生も「治ったと言って喜ぶ人ほど、また症状が出てくることがある」と言っています。森田療法では、苦楽・好悪も人生における同一事件の両面感であって、悟りの喜びには、必ず迷いの苦悩があると表現しています。

今、Kさんは日々の行動を積み上げて、倒れることなく一日を終えられているという事実を積み重ねていることは良いと思います。付け加えますと、大切なことは症状を治すための行動だけにならないことです。自分のやりたいこと、自分の中の本当の欲求から動いて行ってください。例えば、「症状を治すためにウォーキングする」ではなく「紅葉が見たいから歩いてみようかな」のように、自分の本当にしたい事から発する行動を大切にしてみましょう。
(大久保菜奈子)

「人との関わりを求める気持ちと怖さについて」 '18.9 

Yさんは幼少期から緊張が強く、自分と人が違うように感じて悩んで来られました。20年ほど前にご自身がアダルトチルドレンだと気づき、医療機関や自助グループにも通われましたが、実際に人と接しようとすると恐怖や怒りなどが根深く、グループにも通えなくなったとのことです。人との関わりを自由に楽しめるように心から願う気持ちがありつつ、現在は孤独な生活になりがちだと述べられています。

そのような恐怖を感じられている方が体験フォーラムに書き込んでくださったことに感謝します。とても勇気のいることだったのではないでしょうか。

より親密に接したい気持ちを持ちながらも怖さを感じてしまう。この人にはこんなに傷つけられてきたが、そう話すと自分が苦しくなる。そういった気持ちは、どちらもそのまま大切な感情です。相反する感情は同時に成立するものなのです。そういった気持ちをどちらも押し込めずにいてみることが、自分を大切にする第一歩になります(辛くなったときには直面することを一旦やめてみるのも同時に大切)。

アダルトチルドレン(AC)に森田療法を活用された経験を論文に書かれている精神科医の芦澤健先生は「過敏に反応してしまうのは誰がいけないということではない」と述べられています。
生い立ちや元々持っている気質が相互作用する中で、より過敏に反応するようになってしまっている。それはあなたのせいではないのです。ACの問題も含めて、自分の感じていることや思い、実際に起きていることを言葉にすることが、少しずつ回復に繋がり、結果的に過敏な反応はなくなっていく可能性があります。

しかし、これはここなら話しても大丈夫という安心感を持てる場で初めてできることだと思います。まずは1対1での関係から、もし安心できる治療機関があればそちらでもいいですし、もしよろしければ、体験フォーラムの場にYさんの思いや日常の様子を無理のない範囲で書きこんでいってもらえたらと思います。少しずつ自分の思いなどを表現できるようになって行く中で、少しずつ恐怖も変わってくるかもしれません。

そして、自分のつらい思い出や思いに直面するのがしんどくなるときはちょっと休んだり、人と距離を取ることもよいのです。Yさんの無理のないように(ここが大事です!)少しずつ進めてください。
(今村祐子)

「親の介護」 '18.8 

Mさんは親の介護で悩んでいます。

Mさんの話では、お母様は昔からわがまま・支配的で、難病にかかってさらに難しい人になったとのことで、肺炎のよる入院後に介護サービスを導入したものの、ヘルパーさんを合わないためにやめさせ、年老いた父をこき使う、満足してくれず愚痴ばかりとのことです。Mさんは不安感と嫌悪感を感じ、体が震え・足がすくんで帰省出来ず、帰らねばという思いと帰省出来ないことから罪悪感を感じ自分を責めて、感情を乱されて仕事に集中出来ない日々が続いているとのことです。「諦めと開き直り、その境地になれればいい」と書かれています。

他の方も書かれていますが、40歳代50歳代で親の介護に悩まれている方は多いですね。そういう時は一人で抱え込まないことです。介護する側はそれぞれの立場でいろいろな思いや知恵があると思います。そういう思いを共有されてみてはいかがでしょうか。Mさんが帰ろうと思うも帰れないでいる思いをお父様や福祉スタッフに伝えてみたり、お父様や周囲の福祉の方の話を聞いてみてはいかがでしょうか。

その上で、お父様やお母様は何が出来て何が出来ないのか、それに周囲が何の手助けが出来るのか、現状をアセスメントすることです。そのうえで「過剰に気にして自責的になる」のでなく、それぞれの立場で出来ることからやっていきましょう。

お母様としては昔のように出来なくなったことでより頑なになっているかもしれません。片付けが出来ていなかったとのことですが、肺炎のため掃除できなかったこと以外にも、認知症などで生活能力が下がってきている可能性も考えられます。一度病院で評価してもらうのも一案です。
(矢野勝治)

「うつが悪いときの休息の仕方」 '18.7 

Mさんはストレスで会社を退社され、その後、うつ病と診断を受けて、治療を開始されはじめましたが、再就職のことなどを考えて、不安が強くなっていて、困っていらっしゃいます。

うつ病を発症され、治療が始まったばかりというのは、抑うつ症状(強い抑うつ感、不眠、食欲不振、興味・関心の低下など)に加えて、不安・焦燥感も強くなり、とても辛いですよね。そして、この時期には、過去にあったこと、過去にしたことなどの後悔が強くなったり、先々の心配が強くなったりしがちです。また、これらは元々神経質や心配性でくよくよしやすい方であった場合、うつ病の症状が強く、心のエネルギーが少ないときには、より強く感じやすくなるものです。

うつ病の治療の中で、「休息をとること」はどの時期であっても大切な要素です。特に抑うつ症状が強い時には、「心身の休息をとること」がとても大切です。しかし、抑うつ症状が強く、不安・焦燥感も強くなっているときには、過去への後悔や先々への不安をどうにかしようと考えたり、焦りから、無理矢理に活動をしたりして、さらに心身のエネルギーを消耗し、なかなかうつ病が良くならないということになってしまいがちです。ですから、この時期は「神様がくれた休養のプレゼント」とでも考えて、ある意味諦めて、しっかりと休息をとることを考えていきましょう。

抑うつ症状で身動きとれない時には横になって休む、あるいは睡眠をしっかりとるといった身体の休息が大切です。しかし、Mさんは、身体を動かすことで気分は楽になるとのことですので、ひたすら横にならなくてはいけないというわけでもないようですね。こんな時は身体の休息も意識しつつ、「疲れない程度の軽い運動をする」「好きな音楽を聴く」「ゆっくりと散歩する」など、Mさんの「気分が楽だな」と感じる行動をしていくといった心の休息も大切になります。

Mさんは薬物療法を始めて、気分が良くなったり悪くなったりしているということですが、それは、回復している証とも言えます。ですから、決して焦らずに、先々の心配は置いておいて、まずは心身の休息をとることに専念していきましょう。
(谷井一夫)

「日記について」 '18.6 

Kさん、初めまして。森田療法の本を読まれてから日記を書かれるようになったのですね。本にも触れられている通り、日記療法は入院森田療法の中で、患者さんが一日の作業体験を振り返るために記載することから始まりました。不安にとらわれがちな患者さんに、森田先生を始め多くの森田療法家は敢えて症状以外に目を向けることを目的として、自身の取り組みを記載することを奨励し、愚痴などを禁止したのです。

しかし、これはあくまで入院森田療法の中の原則論にしかすぎません。ましてや、日常生活で奮闘されているKさんにとって、愚痴が書けない日記は窮屈な存在でしかないと思います。森田療法は全ての感情を自然な物と見なすことから始まります。私はKさんに愚痴も含めご自身の率直な感情を是非日記に記載していただければと思っています。

ただし、日記を書く上で、患者さんに一つだけお願いしていることがあります。それは、最後の一文を自己否定で終わらせず、自分なりに奮闘し頑張った点を記載してもらうことです。というのも、神経症やうつ病を患われている患者さんは、減点法の天才で自分の出来ない所ばかりに目が向いてしまうからです。仮に悲しみや不安でいっぱいで遭ったとしても、何か一つ行動したことを、取り組んだ事実として記載し、認めて上げることです。

ある患者さんは、毎日寝込んでいるだけで何もしていないと、当初嘆いていましたが、やがて自宅で飼っている猫に餌をやっている様子を日記に記載するようになりました。次第に、猫の餌の食べ方から健康状態を把握するまでになったのです。このことは、決して小さなことではなく、症状に苦しんでいる患者さんにとって、日記を媒介としながら周囲に視点を転換し日常生活に行動の手を広げていったことを意味します。つまり、これこそ回復のための大きな一歩なのです。そして、回復のための一助に日記を大いに活用いただければと思います。

Kさんの自由な日記から新たな発見が生まれることを期待しています。お大事にされてください。
(樋之口潤一郎)

「どうしたらいいかわからないとき」 '18.5 

Qさんは「2年前に会社からリストラされ、それ以降、不眠と動悸がするようになりました。 再就職すれば収まると思いましたが改善されず、ずっと症状が続いております。 今年2月に人間関係のトラブルで退職しました。 」「 病院からは今は仕事をしないほうがいいと言われましたが、収入がない事や家で何をしたらよいのか分からないです。」と書き込まれています。

仕事をリストラされるということは、大変な傷つき体験になりますし、収入がないということは、生活の基盤を揺るがすこと。不安や不調は無理もない反応といえるかもしれません。安心して安定した生活を望むことは人の基本的な願いといえるでしょう。また、職場の人間関係も大きなストレスとなること。厚労省の調査でも、自分の仕事や職業生活に関して強い不安、ストレスが「ある」と答えた人が60.9%に上り、その中でもトップを占めるのが職場の人間関係です。ストレッサ―の認知やストレス反応の出方を左右する重要な要因とされています。それらのことから「仕事をしたらまた同じことが起こるのでは?」と不安に思ってしまっているところもあるかもしれませんね。

現実的な生活上の不安については、身近な人、病院のケースワーカーさん、地域の相談機関に相談してみてもよいのではないでしょうか。すぐに解決策が見えなくても、一緒に考えてくれる人がいるのはそれだけでも心強いものです。

病院からは今は仕事をしないほうがいいと言われているとのことであり、書き込みだけからは、どの位の動きを探っていくのがいいかはわかりません。ただ、「焦りから追い立てる」動きは悪循環にもなりかねません。ここは、「焦る心は抱えつつ、実現可能なことから一歩ずつ」、を目指しましょう。例えば仕事をするとしても、できそうなもの、対人接触が少ないもの、単発や短期間、撤退可能なアルバイトやパートにしておく、など。

そして、「どうしたらいいかわからない」ときに大切にしたいのが、「生活の動き」です。日々、なんとか身を起こし、顔を洗い着替えをし、身支度をする、外に出られなくても窓を開けて空気の入れ替えをする、たくさん食べられなくても少しずつでも箸だけはつける、などです。

そこから少しずつ身の周りのことをしたり、散歩などに出てみるのもいいですね。そうした生活の動きを味方につけていくと、気持ちがあとから動き出すことがあります。
(塩路理恵子)

「不安状態の方は薬に頼りたいが頼りたくない相反する気持ちを持ちます」 '18.4 

Yさん、うつ病になりしかも再発を繰り返しており、藁をもつかむ思いでメンタルヘルス岡本財団のHPへ書き込まれたのですね。

再発を繰り返すうつ病の方の薬物療法についての一般論を申し上げますね。再発するのは様々な要因がありますが、薬物療法の種類としては、抗うつ剤ではなく、気分安定薬を称される一群の服薬をお勧めします。お飲みになったことがあり効果がなければごめんなさい。気分安定薬とは、抗うつ薬でなく、抗精神病薬、抗てんかん薬、炭酸リチウムといったものになります。こう聞くとますます服薬をしたくなくなるかもしれません。薬には効果と副作用があります。この辺りを先生とよく話し合うことが重要です。以上の薬物療法は再発に焦点を当てた案です。

しかし一般論として、神経症の方々は不安を除去する手立てを望む反面、薬の副作用や依存性に対する不安を人一倍持ちやすいというアンビバレントな心理を有しています。要するに不安除去の手段が新たな不安の種になるわけです。それだけに「薬には頼りたいが頼る」のも不安なのです。特に頼りたい心性が優位に認められるのはパニック症(パニック障害)の患者でしょう。投薬と治療終結は患者が頼りにしていた存在をなくす不安を喚起します。しばしばその不安が自律神経の身体反応をもたらし、患者さんはそれを症状再燃の兆しと受け止めることによって予定してた終結が延期されてしまうわけです。逆に「頼ることから自律的なコントロール喪失をすることへの不安」が優位に認められるのは強迫的に物事を遂行する方に多いと思います。パニック症(パニック障害)に比べて強迫的に物事を行う人は「薬に頼らず自力で治したい」と主徴することもあります。そんなとき私は医学的判断も入れてですが、ある程度無投薬で治療出来そうと判断したときは無投薬で治療を開始したります。

Yさんのもう一つの可能性としてはうつの回復期に一見神経症のように不安が前景にたってくる場合もあります。ある程度活動意欲はあるのであれば、様々な感情を抱えつつ建設的な行動をする森田療法の考えがあう可能性があります。

ただご自身が書き込まれていますように、薬物療法にも限界があります。薬物療法の限界を踏まえても森田療法の考え方は生かせます。それがむしろ森田療法の強みかもしれません。薬物療法で取り切れない不安やうつの感情の背後にはYさんの「〜したい」切なる思いが隠れているのではないでしょうか?不安やうつの感情を抱えつつ、いかに「〜したい」方向の行動へ踏み出すかが大事になってくるでしょう。「薬は正直飲みたくない」といった言葉にYさんの「克己の姿勢」の強さが表れていると思います。その意欲を服薬するか否かでなくもっと建設的な方向へ生かしていければよいのかなと思います。つまり薬物療法は生活を立て直すための補助的手段であると思って頂ければ良いと思います。
(舘野歩)

「自分にとって仕事とはないか、問い直すとき」 '18.3 

Sさんは思春期の対人関係で辛い体験をされたことを契機に対人恐怖を抱え、社会人になった後も、仕事のストレスから鬱となり休職を余儀なくされたことは非常に辛い体験であったとお察し致します。また、2006年には舌癌という命に関わる病を患いながらもその治療を乗り越え、今まで転職を繰り返しながらも仕事を続けてこられたことに敬意を表します。そして今、仕事を続けていくことに非常に大きな苦痛を感じているという状態であることを承知しました。

Sさんにとって仕事とはどのような存在でしょうか?仕事の存在意義は人それぞれ様々です。生活していくお金を稼ぐため、自己実現のため、社会貢献のため、人に認められるため、などさまざまあると思います。仕事での行き詰まりは、Sさんの生き方を見直すチャンスかもしれません。

森田療法は、“かくあるべし”や“ねばならない”という固定観念を打破し、自分の持っている素の欲求を発見・発揮し、あるがままの自分を目指します。Sさんは今まで自分の気持ちを抑え、耐え忍ぶ生き方をされてきたのではないでしょうか?子供の頃に持っていたような、“〜したい”という純粋な気持ちを感じる時はありますでしょうか?もしそれがまったくわからない状況であれば、日常のありふれた事でもよいので、仕事以外のことに目を向けることをお勧めします。たとえば、電車通勤であれば、一駅前で降り、歩きながら目に入ってくる風景を観察してみる、昔好きだったことに手を出してみる、のんびりと好きな音楽を聴きながら1日を過ごしてみる、などいかがでしょうか?そして、自分の感覚や感情を意識してみてください。心地よいとか、落ち着くといった身持ちが得られれば、そのことにもう少し手を出してみましょう。

Sさんが何度も転職しながらも仕事を続けられてきたことを考えると、粘り強さは人一倍持っていらっしゃるのだと思います。そのエネルギーをどう生かすか、これが課題ではないでしょうか?現代社会は生産性向上や成果主義を謳われるようになり、メンタルヘルスが追いついていない職場が多いのが現状です。そのような中で、生き抜くためには自分の支えとなる柱を仕事一本に絞らないことも大切と思います。“仕事が生きがい”といった生き方は、仕事が順調に行っているときはよいのですが、仕事が行き詰まるとぽっきり折れてしまうものです。自分を支える柱が増えることを願っています。

今こそ立ち止まって自分の本当の気持ちを確認する時かもしれません。
(鈴木優一)

「迷い・自信喪失した時こそ、自分がどんな生活を送りたいのかを考えてみる」 '18.2 

Sさんはオーバーワーク(かなりの残業)の末にうつ病になり、異動したものの昇進も重なって新しい環境になじめず休職、その後復職したものの、何もまともに出来ないという気持ちで自信が持てず、何をするにも不安で、疲労感が強いとのことでした。怠けていると思われているのではと周囲の目も気になり、辞めることも考えたものの踏み出せずに悩んでいると書かれていました。オーバーワークをし、体調不良で異動しつつも昇進・・・ということですから、Sさんは仕事に真面目に取り組み、また成果を出す能力もある方なのだろうと思います。おそらく頑張りすぎてうつ病になってしまったのでしょう。

休職して、復職する際には、真面目な方ほど「今度こそダウンしないようにしなければ」と考えてしまうので、Sさんの場合も相当のプレッシャーがあったと思いますし、新しい職場に馴染むにはエネルギーが必要だったろうと思います。

ではSさんがダウンするほどまで頑張ったのは、何のためだったのでしょうか?周囲の期待に応えたいという気持ちもあったかもしれませんし、ご自身の完全欲(きちんとこなしたい)もあったかもしれません。また理想や、自分への要求が高いということもあるかもしれません。そういう方がつまづくと、逆に自分は何も出来ないダメ人間・・・と一気にマイナス評価にしてしまいがちです(0か100かの両極端)。Sさんが書かれている今の不安や失敗への恐怖というものも、こうした完全欲から生じているものと思われます。思い切って仕事を辞めることを考えたのも、極端な捉え方の現れでしょう。

ではどうしたらよいのでしょうか。迷ったときこそ、原点に立ち返ることが重要なのだろうと思います。ここまで頑張ってきたのはSさんが自分なりに納得する仕事をしたかったからでしょう。しかしながら、いつの間にか周囲の評価や期待というものに翻弄され、自分のペースや自分自身を見失ってバランスを崩してしまったのだろうと思います。つまり自分自身の本当の気持ちや体感(疲労感など)が二の次になってしまったということでしょう。

奇しくも一呼吸を入れることになった今、もう一度自分は何を望んでいるのか、どんな人生を求めているのか・・・を考えてみても良いかもしれません。大きな目標を掲げるのではなく、のんびり過ごしたいとか、映画を見たいとか、近所を散歩してみたいとか・・・小さなことで良いのです。自分の心に問いかけてみて、そうした自分の「〜したい」という気持ちを実行することに重きを置いたらどうでしょうか。誰かのための人生ではなく、自分のための人生です。自分をまず大事にすることで、今の焦りや周囲への恐怖ももう少しやり過ごすことが出来るようになると思います。
(久保田幹子)

「治療を行えば回復への道筋が見えてきます」 '18.1 

Gさんは2週間前から死ぬことについて考えてしまうとのこと、辛い状況ですね。死にたい気持ち、食欲不振、睡眠障害を合わせますと抑うつ状態である可能性が高いです。精神科のある病院・クリニックに行くことをお勧めします。森田療法はうつにも適応となりますが、ある程度回復してからとなります。まずは専門医を受診し、休養・薬物療法など医師の指示に従い治療を受けてください。

ある程度回復したら森田療法を生活に生かしていけます。あるテレビを見たことがきっかけとのことですが、原因は一つとは限りません。〜すべきにとらわれていなかったか、仕事で無理をしていなかったか、周囲の人にヘルプを出せていたか、親しい友人で相談できる人はいたか、仕事以外の楽しみもあったかなどを振り返りながら、回復に向けて、また再発予防に取り組んでいきます。高校時代にも同じような状態になったとのことですから、どのような時に調子を崩しやすいかを知っておくことも再発予防につながります。

今回、「告白することで少しでも楽になるのでは」という思いで勇気を振り絞ってメッセージを送って頂きました。本当に良かったと思います。実際、抑うつ状態になると人に助けを求めるという力も失くしてしまい、一人で悶々と悩まれている方も多いのです。他の人に助けを求めれば、自分の考えうること以外の方法が導き出されることがあります。一人で悩まず専門家をはじめ親しい人に相談してみましょう。
(大久保菜奈子)

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