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症状別アドバイス集

不安神経症の部屋

「ありのままの赤ちゃん」 '17.3 

kさんは出産後にストレスが原因でパニックを起こし、普通だと思っていたご両親がそうではなかったことに気付き、苦しい気持ちをどうしたらいいかわからないと書かれていました。産後の肉体的にも心理的にも助けがほしい時、分かり合って暖かい気持ちでいたい時に衝撃でしたね。Aさんも同じような状況を経験されたということでお二人のやり取りに温かみを感じました。

kさんは苦しさと同時に、これまでの価値判断を親にゆだねて生きてきてしまった自分への憤りもあることや、赤ちゃんに自分と同じような思いをさせたくないという思いについても語られています。自分の色々な思いを感じ、冷静に見ようとする力、起きていることを整理して理解し、対応できる力をつけようとする姿勢からとても愛情深く、知的な方なのだろうなという印象を受けました。自分の事を冷静に見て自分について悩む姿勢(自己内省)があり、子どもにとってよりよい母親になるようにと願い努力されるところ(森田では生の欲望と呼びますね)もお持ちな様子からは、神経質(神経質というのはとても良いものです)でいらっしゃるのかなとも思います。このサイトで色々なケースを見て学びながら、カウンセリングにも通われているとのこと。小さい赤ちゃんがいる中でカウンセリングに通うのは大変なこともあるかもしれませんが、Kさんの場合はとてもよい支えになっていっているようですね。

目の前の赤ちゃんを見て「ああ、この子はこの子なりの理由であるがままにふるまっているな」というような感覚になる瞬間が最近増えてきているとのこと。すごい感性だなと思います。たくさん泣いて自分の気持ちを話し、自分の気持ちに触れていく中で、少しずつ自分の気持ちがわかっていき、その瞬間瞬間を感じられるようになるのですよね。とても大切な自分の土台です。

不安に圧倒されたり、色々くよくよすることもあるかもしれませんが、それは神経質の特性でもあります。細かで色々と感じ考えるところを赤ちゃんへの対応に生かしていけばより赤ちゃんに細やかに反応することができますし、お互いにその瞬間瞬間をとても大切に生きていくことに繋がっていくはずです。そうやって赤ちゃんに接し育てていく中で、ご両親との関係とは違う新たな関係をKさん自身が育まれていくことになるのではないかと思います。
(今村祐子)

「別れは辛いもの」 '17.2 

Iさんはお母様が突然亡くなられて悲しい思いに暮れています。

別れとは寂しく悲しいものです。病気などで余命がわかっていても受け入れ難いものですが、胸部大動脈解離で突然亡くなられて心の整理がつかない状況ではなおさらのことだと思います。忘れようとすればするほど辛さは募るものです。

一方で(お母様だとこういう時にどうアドバイスしてくれるだろうか)と考えることはありませんか。あえてそう考えずとも自然とお母様だったらこう言うだろうと浮かんだりしているかもしれません。お母様との思い出、お母様の考え方は、周りの関わった多くの方の心に宿っているのではないでしょうか。お母様から学んだ教えはIさんの礎になっていることと思いますし、さらにはあなたを通して次の代へ引き継がれるとも言え、亡くなられても(関わった人達の心の中で生き続ける)ということが出来るかもしれません。

とは言え、別れは辛いもの。Aさんも述べられていますが、大事に思われていた方の死別の辛さは無理に忘れようとしなくてよいのだと思います。
(矢野勝治)

「他人がどう感じているのかは本当のところは分からない」 '17.1 

Aさんは約15年前からパニック障害を発症され、発作そのものはほとんど起きなくなっていますが、乗り物に乗る時や歯医者に行くときなどの予期不安が辛いとのことです。パニック発作のときの恐怖感は本当に強いものですから、本当に辛かったと思います。また、症状が長期間になればなるほど、予期不安も強くなりますから、「普通の人なら大変な思いをしなくていいんだな」とうらやましく感じるのも無理はないと思います。

そして、症状は他人と比較することはできないものですし、「自分が特別に苦しい」と感じてしまうことも自然なことです。しかし、本当にそうでしょうか。確かにAさんはパニック障害で苦しんでいらっしゃいますが、乗り物に乗っている人や歯医者に行っている人は何も悩みや苦しみがないのでしょうか。もしかしたら、Aさんと同じようにパニック障害を抱えていらっしゃる方もいるかもしれませんし、他の病気や対人関係などで悩んでいるかもしれません。もっと言ってしまえば、とくに病気や悩みがなくても、乗り物に乗るのがあまり好きでない人や歯医者そのものがすごく苦手な人もいることでしょう。

苦手なことが全くない人、悩みが全くない人はいませんよね。人には好き嫌い、得意・不得意があって、それは人それぞれ違うものですね。そして、私たちは色々な場面で様々な感情になりますが、感情そのものはどうにかなるものではなく、その時その時でどんな感情であっても、味わうしかないですよね。ですから、苦手なものは苦手でよいし、怖いものは怖くてよいのではないでしょうか。

Aさんの得意なこと、好きなことはなんでしょう?もしかしたら、「ない」とおっしゃるかもしれませんが、そんなことはないはずです。他の人から見たら「Aさん、うらやましいな」と思われていることがあるはずです。そのことを広げていくことがAさんらしく生きていく、ということに繋がり、予期不安にとらわれることも減ってくると思います。ちょっと厳しいことも書いてしまったかもしれませんが、是非とも、Aさんの強みを磨いていって下さいね。
(谷井一夫)

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